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2009/09/06

Android(HT-03A)でiPhone版ニコニコ動画にアクセスする(1)

パケット解析結果の妥当性検証のため、Javaで実際にHTTP通信を行ってみた。デスクトップPCからアクセスしても面白味に欠けるため、Android端末であるdocomoのGoogleケータイHT-03Aからアクセスし、実際に画像表示までを行っている。

ただし、Androidプログラミングについては、私自身が学習を始めてから間がなく、説明したとしても誤りを多く含んでしまう懸念があるため、ポイントのみ提示することとした。

前半はJakarta Commons HttpClient4.0を用いたHTTP通信について説明する。この部分についてはAndroid SDKには依存しない(ただし注意点あり。後半に記述)ためデスクトップのJDKで実行可能である。

後半ではAndroid上で実行する際のポイントを説明する。

今回用いたソフト/ハードは以下の通り。

HttpClient4.0でのHTTP通信

始めに注意点を述べる。

HttpClient4.0は、3.x以前のバージョンとはインタフェースが大きく異なっている。googleで検索したところ、日本語の解説ページは3.xのものが多いようなので、プログラミング時にはこの点に注意が必要であると思われる。

HttpClientの使用方法は、ダウンロードしたファイルに含まれるtutorialを読むのが良いと考える。web上のtutorialは3.xのままのようだ。1.1.6節”Consuming entity content” が今回使用する手段の大半である。

今回の記述では省略しているが、同tutorial1.1.5節”Ensuring release of low level resources”の処理も必要である。経験上、HttpGet#execute()で例外が発生する場合にはそれ以前のコネクションについて、この処理が漏れていることが多かった。

 

以降、実際のプログラミングについて述べる。

まず、HttpCientインスタンスを生成し、ヘッダ情報を設定する。ヘッダ情報はiPod touchが設定しているものに合わせた。

HttpClient httpclient = new DefaultHttpClient();
httpclient.getParams().setParameter("http.useragent", "iPod touch");
ArrayList<Header> params = new ArrayList<Header>();
params.add(new BasicHeader("Accept-Encoding", "gzip, deflate"));
httpclient.getParams().setParameter("http.default-headers", params);

実際に実行してみるとわかるが、UserAgentをiPhone/iPod touchと合わせておく必要があるようだ。設定が無いとセッションID取得時にエラーとなる。ニコニコ動画サービスでUserAgentを確認している箇所はあまりないようだ[1]が、ここだけ確認が入ってるのは高木さんの指摘[2]が関連しているのだろうか。

次に、ID(メールアドレス)とパスワードを設定してログインを行う。

HttpPost login = new HttpPost("https://secure.nicovideo.jp/secure/login?site=nicoiphone");

List<NameValuePair> nvps = new ArrayList<NameValuePair>();
nvps.add(new BasicNameValuePair("mail", mail));
nvps.add(new BasicNameValuePair("password", password));
login.setEntity(new UrlEncodedFormEntity(nvps, HTTP.UTF_8));

HttpResponse response = httpclient.execute(login);

4,5行目の変数mail, passwordには実際のID, パスワード文字列を設定する。ログイン時のパラメータsiteは、PCでのログインではniconicoだが、iPohone版ではnicoiphoneとなっている。余談だがニコ生アラートというサービスではnicolive_antennaだそうだ。他にもあるのだろうか。

response.getEntity().getContent(); でXML形式のストリームが得られる。ログイン認証が正常に行われていれば<ticket>タグ値が得られるので、これをチケットIDとして保持しておく。

続いてこのチケットIDをパラメータ値としてセッションIDを取得する。

login2 = new HttpGet(http://i.nicovideo.jp/v2/login?ticket=" + ticket);
response = httpclient.execute(login2);

このresponseからsessionIdが取得できる。

ログイン認証が正常に終了しセッションIDが得られた。これでコンテンツストリーム取得ができるようになった。そこで、コンテンツ取得のための情報を集める。

status = new HttpGet("http://fence.i.nicovideo.jp/v2/videostatus?video_id=" + videoId);
httpclient.execute(status);

gate = new HttpGet("http://fence.i.nicovideo.jp/v2/gate?video_id=" + videoId + "&sid=" + sessionId);
response = httpclient.execute(gate);

変数videoIdはsm8080447などの、今回取得するコンテンツのID文字列である。

5行目のresponseはバイナリ形式で、ここからコンテンツストリーム取得時のパラメータを得られる。

最後は、前回記載した通り”http://fence.i.nicovideo.jp/v2/play?transmission_speed=”から始まるURLを適切回数実行する。

結果として、responseのストリームからコンテンツを取得できた。

 

参考:

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