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2009/11/06

[読書]「科学者になる方法」 科学技術振興機構(JST)プレスルーム編

 

本書「はじめに」より。

進路に迷っている高校生の皆さんや、科学に興味を持っている方々が「理系に進んだらこんな仕事をするのか」、「研究者の日常生活はこうなのか」など、「研究者の実像」が分かるような本を作ってみようということになったのです。

タイトルや掲載順は異なるが、原稿作成者はSciencePortalのページ「科学者になる方法」と同じであり、内容のイメージは掴める。おそらくwebにあるのが、原稿で、これを基にインタビューを行いまとめたものが本書なのだろう。

研究分野ごとに章がわかれており、それぞれ以下の通りとなっている。

  1. 環境分野。2名。
  2. 情報通信分野。4名。
  3. ライフサイエンス分野。16名。
  4. ナノテクノロジー・材料分野。11名。

webでは34名登場しているのに対し書籍では合計33名になっているのは、書籍では毛利衛氏の文章はコラムとして扱われているため。

冒頭引用文及び、上記webのタイトルを一覧するとわかるが、本書は書籍名である「科学者になる方法」というより、『科学者の半生』という色が強い。

この他、『○○先生の研究』という節でそれぞれの著者が行っている研究の概要を、『研究者になるなら-先生からのアドバイス』という節で研究者としての資質や、どう考え行動していくべきなのか等が記述される。この3節がこの書籍の構成になっている。

研究分野の比率は前述のとおり情報工学分野は少ないため、研究内容についてはあまり関心が生まれなかった(全く無いというわけではなく、例えば野依良治氏の文章の中にある、鏡に映った右手の手袋から不斉合成の説明をされるくだりは大変面白かった)のだが、アドバイスの節は読んだ価値を感じさせてくれた。著者ごとに反対の意見とも言える主張をされているものもあり、面白い。

途中のコラムに「研究者へのキャリアパス」というものがあり、ここでは、最終的な研究環境として『大学研究者』『公的研究機関』『企業研究者』の3種類が挙げられている。この書籍に登場されている方をカテゴライズしてみたところ、以下のようになった。

  1. 大学研究者: 25名
  2. 公的研究機関: 5名
  3. 企業研究者: 4名

執筆の以来を行う際の伝手の問題なども影響しているのだろうが、やはり研究者になろうとした場合の正攻法は(おそらく世間のイメージどおり)大学研究者になることなのだろうか。

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