« NicoBrowser ver.0.2.0 待機時間の設定項目追加 | トップページ | NicoBrowser ver.0.3.0 設定画面追加 »

2009/11/29

静的型付けの何が良いか

以前、「動的型付け言語はやはり使用できない」というタイトルでエントリを書いたのだが、「Scalaスケーラブルプログラミング[コンセプト&コーディング] (Programming in Scala)」という本に言いたかったことが書かれていたので紹介する。

 

p.34 1.3.4 静的な型付け(簡潔性、柔軟性、検証可能性、安全性、ドキュメント性):

静的な型システムは、ある種のランタイムエラーが存在しないことを証明できる。たとえば、真偽値が整数に加算されていない、非公開変数がクラス外からアクセスされていない、関数が適切な数の引数に対して適用されている、文字列の集合に追加されているのは文字列だけである、といったことを保証できるのである。
しかし、今日の静的型システムでは、その他の種類のエラーは検出されない。たとえば、終了しない関数、配列の境界を越えたアクセス、0による除算などは検出されない。[中略]そのため、静的型システムは、一部の人々からはあまり役に立たないものだと軽視されている。さらに、静的型システムは単純なエラーを検出できるだけだが、「単体テストならもっと広い範囲のエラーを検出できるのだから、わざわざ静的型システムを使う必要はない」とまで言う人々もいる。

上記の意見は、前エントリのブルース・エッケルの意見と同じ方向だろう。これに対して、以下の反論が続く。

確かに、静的型システムは単体テストの代わりになるわけではないが、プログラムの性質を確認するために普通なら必要だった単体テストの数を減らしてくれる。さらに、単体テストは静的型付けの代わりにはならない。Edsger  Dijkstra(エドガー・ダイクストラ)が言ったように、テストが証明できるのはエラーの存在であって、エラーの不在ではない。静的型付けが与えてくれる保証は単純なものかもしれないが、どれだけテストをしたとしても得られない本物の保証なのである。

 

ダックタイピングという言葉がある。動的型付けにおいて、ダック(と思われるもの)を用いたとき、テストは

  • それがダックであることを確認する(鳴かせてみる)
  • 鳴き声が妥当であることを確認する

の2種類が必要になる。一方、静的型付けにおいては、それがダックであることは確実なので(保証されているので)、

  • 鳴き声が妥当であることを確認する

の1種類で済む。

テストコードを書く場合、もしかすると両者は同じ1つのテストケースで実行可能かもしれない。が、コードレビューを行う場合(実際にプログラムを実行できない場合)では、かなりの負荷になると思う。

« NicoBrowser ver.0.2.0 待機時間の設定項目追加 | トップページ | NicoBrowser ver.0.3.0 設定画面追加 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18902/46891280

この記事へのトラックバック一覧です: 静的型付けの何が良いか:

« NicoBrowser ver.0.2.0 待機時間の設定項目追加 | トップページ | NicoBrowser ver.0.3.0 設定画面追加 »

other sites

  • follow us in feedly
  • github
  • stackoverflow

ソフトウェアエンジニアとして影響を受けた書籍

  • Christain Bauer: HIBERNATE イン アクション

    Christain Bauer: HIBERNATE イン アクション
    理論と実践が双方とも素晴らしい製品であるHibernate。本書はそのプロダクトを書名に冠していますが、Hibernateを使うつもりがなく、ORマッピングの解説書として読むにしても十分な良書です。Second EditionとしてJava Persistence With Hibernateという書籍も出版されていますが、残念ながら現在のところ 和訳はされていません。-インアクションは2.xの、Java Persistence-は3.1の頃のものなので、最新版とはちょっと違うところもあることに注意。 (★★★★★)

  • アンドリュー・S・タネンバウム: 分散システム 原理とパラダイム 第2版

    アンドリュー・S・タネンバウム: 分散システム 原理とパラダイム 第2版
    クライアント/サーバシステムを構築する上で必要となる知識が総論されてます。Web技術者も、フレームワーク部分を開発するのであれば必読。 (★★★★★)

  • Joel Spolsky∥著: ジョエル・オン・ソフトウェア

    Joel Spolsky∥著: ジョエル・オン・ソフトウェア
    前述の書籍「ソフトウエア開発プロフェッショナル」をより砕いたもの、という感じでしょうか。 前書きではプログラマでなくSE向けの本のように書かれているが、プログラマが読んでも面白い本であると思われます。 SEになった新人(あるいはそういう会社に入る/入りたての人)にとっては、これからどういったことが仕事を遂行していく上で起こりえるのか、どのように考えて行なっていけばいいのか決定する助けになると思います。 元は″Joel on Software″というブログの記事で、web上でも一部日本語で読めます。 http://japanese.joelonsoftware.com/ (★★★)

  • ドナルド・C・ゴース,ジェラルド・M・ワインバーグ: ライト、ついてますか

    ドナルド・C・ゴース,ジェラルド・M・ワインバーグ: ライト、ついてますか
    問題解決(一昔前のの流行語で言うところの『ソリューション』)能力は、システムエンジニアのスキルとして備えるべきもののうちのひとつです。しかし、これは難しい。学校で出されるテストと違い、唯一の、(問題提出者が想定している)解を求めるだけが「問題解決」では無いからです。そもそも、何が問題なのか、それは本当に問題なのか、それは本当に解決すべき問題なのか、その問題解決方法は正しいのか、などを解決しなければ、「その解は正しいのか」に辿りつくことができません。この本の最も良いところのひとつは、本があまり厚くないこと。すぐに読めるし、何回も読み返す気になるでしょう。 (★★★★★)

  • スティーブ・マコネル: ソフトウエア開発プロフェッショナル

    スティーブ・マコネル: ソフトウエア開発プロフェッショナル
    コードコンプリートで有名なスティーブマコネルの著書。新人SEに読んで欲しい。個人として業界の中でどうあるべきか、組織としてどうあるべきか、SEのプロ意識とは?SEの心構え概論、といったところでしょうか。また、業界における資格の重要性についても説かれています。この業界では資格が特に軽んじられる傾向がありますが、この傾向はどんな弊害をもたらすのか、将来的にこの業界は資格に対してどのような姿勢で臨んでいくべきなのか。日経BP社では(他の出版社もだが)最近、似たような類いのあまり面白くない書籍が乱出版されていますが、この本は別格だと思うので安心して購入して欲しいと思います。 (★★★★★)

無料ブログはココログ