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2011/07/14

Visual Studio 2010 Express と CUDA4.0でプログラムを実行してみる その1 インストール

Windows上でのCUDAプログラミングはVisual Studio上で行うのが便利そうなので環境を構築してみます。

現時点で日本語のblogやWeb上の記事を検索してみたところ、Visual Studio 2008 で行う方法の記載がほとんどでしたが、CUDA4.0からはVisual Studio 2010 に対応していますので、今回は表題のバージョンに挑戦します。安定性の面でVS2008&CUDA3.2を選択するのもアリだと思います。その場合は他の方の記事を参照ください。

構築する環境は以下の通りです。

 

Visual C++ 2010 Express と Windows SDK 7.1 をインストールする

64bitバイナリを作成するのにはWindows SDKが必要なので、VC++に加えてSDKのインストールも行います。ただし、このときインストールする順番を間違えるとx64コンパイラが削除されてしまうバグがあるそうですので注意してください。

  1. MicrosoftのサイトからVC++ 2010 Express のインストーラをダウンロードしインストールを行います。
  2. MicrosoftのサイトからWindows SDK のインストーラをダウンロードしインストールを行います。
  3. MicrosoftのサイトからVisual Studio 2010 Service Pack 1 をダウンロードしインストールを行います。
  4. MicrosoftのサイトからVisual C++ 2010 SP1 Compiler Update for Windows SDK 7.1 をダウンロードしインストールを行います。

この手順はVisual C++ Team Blogの記述を参考にしたもので、実のところ私が採った手順とは異なりますが、公式に説明されている以上この手順で行うのが確実でしょう。

 

CUDA Toolkit 4.0 (May 2011) をインストールする

NVIDIA CUDA Zoneのサイトからリンク “CUDA Downloads” –> “GET LATEST CUDA TOOLKIT PRODUCTION RELEASE”を辿ってダウンロードページに行き(現時点ではこちらのページ)、必要なバイナリをダウンロード後インストールを行います。

  1. Developer Drivers for WinVista and Win7 (270.81) 64-bit をダウンロードしインストールを行います。
    • このDeveloper Driverは不要で、nvidia.comやWindows Updateで入手できる普通のドライバでOKという話も。実際、私も間違えてWindows Updateから、より新しいバージョン(275.33)を上書きインストールしてしまいましたが、問題なく開発できています…
  2. CUDA Toolkit 64-bit をダウンロードしインストールを行います。
  3. CUDA Toolkit 4.0 Build Customization BUG FIX Update をダウンロードし、READMEの通りに、2ファイルを既存のファイルに上書きします。
  4. CUDA Tools SDK 64-bit をダウンロードしインストールを行います。

その他のバイナリも順にインストールしていこうと考えていたのですが、GPU Computing SDK code samples のインストーラがregistrationのところで固まってしまい強制終了するしか手段が無くなったのでここまでで止めました。[追記: ウイルスバスターを終了させるとインストールできました。]

ちなみに、CUDA ToolkitとSDKは以前までのバージョンとは異なり(?)、両方C:\Program Files\NVIDIA GPU Computing Toolkit以下にインストールされるようです。

 

CUDA 4.0.props を編集する

前述CUDA Toolkitインストール手順3. で上書きした C:\Program Files (x86)\MSBuild\Microsoft.Cpp\v4.0\BuildCustomizations\CUDA 4.0.props ですが、Windows SDK を利用してビルドを行う場合にはこのままでは不具合がありますのでここで編集しておきます。

45行目,46行目をコメントアウトし、CudaClVersion が常に2010となるようにします。

編集後、該当行は以下のようになります。

<!--
        <CudaClVersion Condition="'$(PlatformToolset)' == 'v90'">2008</CudaClVersion>
        <CudaClVersion Condition="'$(PlatformToolset)' == 'v100'">2010</CudaClVersion>
-->
        <CudaClVersion>2010</CudaClVersion>

 

x64ビルド用環境設定batファイルを作成する

C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 10.0\VC\bin\amd64vcvars64.bat というテキストファイルを作成し、下記1行を記述して保存します。

CALL "C:\Program Files\Microsoft SDKs\Windows\v7.1\Bin\SetEnv.cmd" /x64

参考: vcvarsall.bat no 64bit support vcvars64.bat missing

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